衆院の政治倫理審査会で弁明する下村博文氏=2024年3月18日午後3時21分、国会、代表撮影

 自民党安倍派の裏金問題をめぐり、衆院予算委員会は23日午前、同派元幹部の下村博文元文部科学相の参考人招致を、賛成多数で決めた。自民党は反対し、野党と公明党は賛成した。下村氏は応じる意向で、27日に招致される見通し。

 採決では与党の対応が割れた。自民は、下村氏が政治倫理審査会で弁明したことなどを理由に反対。一方、公明は下村氏本人に出席の意思があるなどとして賛成した。

 予算委では今年1月、安倍派会計責任者(当時)の松本淳一郎氏の参考人招致を51年ぶりに多数決で議決した。聴取の中で松本氏は、還流再開を決めた「ある幹部」の名前は明らかにせず「今は現職(の議員)ではない」とだけ答えた。東京地検特捜部の任意聴取に対し、還流再開を求めた幹部として、松本氏が下村氏の名前を挙げていたことが朝日新聞の取材で分かっている。

 安住淳予算委員長(立憲民主党)は委員会後、記者団の取材に応じ「下村氏の証言は絶対に埋めないといけないピースの一つ。きちんとやることで真相解明に近づけたい」と述べた。

 一方、下村氏はこれまで、再開の経緯について「全く承知していない」と話している。

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