バングラデシュの長期政権を今月5日に崩壊させた大規模な反政府デモは、日本の関係者にも多大な影響を及ぼした。日本政府の途上国援助(ODA)で整備した鉄道施設は運行停止に。治安悪化で日系企業も対応に追われた。
駅のコンコースにつながる階段は南京錠で固く閉じられていた。路線図を示す案内板は倒れ、ゴミが散乱していた。
首都ダッカ市内を南北に貫く「ダッカメトロ」は、国際協力機構(JICA)や日本企業が参画し、2022年に部分開通したバングラデシュ初の都市型鉄道だ。1日35万人が利用し、市民の足となっていた。
だが7月以降、公務員の採用枠の優遇措置を巡る抗議デモの一部が過激化。政府関連の施設が狙われるなか、ダッカ中心部の2駅も同月19日に襲撃を受け、券売機や窓が壊された。運行は停止、路線の延伸工事も中断した。
関係深める日・バングラ 警備艇供与にも合意
「駅構内に設置した消防用の…