昨年10月のパレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘開始後、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸や東エルサレムでもイスラエル軍や入植者に殺害されたパレスチナ人が500人を超えた。国連人道問題調整事務所(OCHA)が5月29日、発表した。国連は「もう一つの戦争」と警鐘を鳴らす。
西岸の中心都市ラマラの近郊にあるアルムガイール村。オリーブ畑や羊の群れが織りなす牧歌的な光景が広がる人口4千人の村で、入植者による大規模な襲撃事件が起きたのは4月12日だった。
「私たち年寄りを守るために、誠実な若者が殺されてしまった」。自宅が襲撃されたムハンマド・アブ・アリアさん(85)は振り返る。
ガザをめぐる紛争に国際的な注目が集まるなか、イスラエルの占領下にあり、ユダヤ人の入植が進む西岸地区でも暴力が激化しています。記事後半では、西岸住民の心の傷をめぐる、日本の精神科医の分析も紹介します
イスラム教の休日にあたる金…