Smiley face
小野通男さん
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 50代後半で始めた鉱物採集。フリーライターの小野通男さん(71)が岡山県内の山河で探し集めた水晶や石灰岩などは数えきれず。2018年の西日本豪雨で被災した倉敷市真備町の自宅を改装し、よりすぐりを紹介する資料館を開設した。

 書斎だった10畳間をあてた「真備鉱物館」。四方の壁は書物に代わって鉱物の陳列棚が占める。大小無数の水晶がきらめき、国内では珍しい青色方解石、ざくろ石、めのう……。3千以上が並び、別の2部屋にもほぼ同数を収蔵している。

豪雨では1階天井まで浸水

 小説家を志し、42歳で倉敷市職員を退職。公募の文学賞で受賞経験もある。執筆の息抜きに山歩きを楽しんでいた57歳のとき、ふと足元に転がる小さな石に手を伸ばした。キラキラと輝き、見た目以上に重さを感じる。調べてみると赤鉄鉱という鉱物だとわかった。

 石の生成には2千万年程度か…

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