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試合前の練習にユニホーム姿でのぞむ西武の鳥越ヘッドコーチ

 埼玉西武ライオンズは、序盤のパ・リーグを最も盛り上げているチーム、と言っていいだろう。

 昨季は球団最悪の91敗を喫し、首位ソフトバンクと42ゲーム差の最下位でシーズンを終えた。それが今季は、4月29日以降つねに勝率5割以上をキープし、上位争いに食らいついている。

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 出場機会を増やしている5年目、長谷川信哉(23)は好調の理由を次のように分析する。

 「本当に当然のことなんですけど、ゴロや凡打を打っても一塁まで全力で走りきる。外野フライを打ったとしても、アウトが成立するまで二塁、三塁をめざしてみんなが走っている。そこがAクラスに入れている要因だと思います」

 この姿勢を徹底できるのは、ある指導者の存在が大きいという。

 今季から加入した、鳥越裕介ヘッドコーチ(53)。長谷川の評はこうだ。

 「厳しく言ってもらっています。(試合中に)『いまの誰々の走塁はよくなかった』とかも。明日は我が身。自分に跳ね返ってくると考えれば、全力で走りきることが大事だと思える」

 鳥越コーチが存在感を示しているのは、試合中だけではない。

 試合前の練習中、多くの選手やコーチがチームのジャージ姿で過ごすなか、鳥越コーチはいつも試合と同じユニホームをまとっている。

 長谷川は「ビジターだろうと、つねにユニホームを着ているので、ついつい探しちゃいます。そのぐらい存在感が大きい方です」

 なぜ練習からユニホーム姿なのか。

 鳥越コーチに尋ねると、こう…

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