1軍監督に就任した西口文也氏

 プロ野球埼玉西武ライオンズの西口文也新監督(52)が11日、東京都内で就任会見に臨み、「どうしたら選手の力を伸ばせるかに気持ちを置いて取り組みたい」と抱負を語った。契約は複数年。ヘッドコーチには、元ロッテヘッドコーチの鳥越裕介氏が就任する。

 西口氏は西武一筋で21年間、投手としてプレー。7年連続で2桁勝利を挙げ、2度の最多勝に輝いた。2015年に引退後、編成部や1軍投手コーチなどを経て、22年からファーム監督として2軍を指揮していた。

 3年ぶりの最下位に沈んだチームを託され、「守りの野球」を理想に掲げた。「(最下位は)打てなかったことに尽きる。まず守備から入って、どう相手より1点多く取るか常に考えてやっていきたい」

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 会見での主なやりとりは次の通り。

 ――今の率直な思いは。

 「ついにこの日が来たなというかね。ただただ緊張しています」

 ――西武一筋でプレーし、1軍監督になった。

 「私が入団して今年で30年目を西武ライオンズで迎えることになりました。ずっと西武ライオンズでお世話になることができると想像していなかったので、本当に今この場にいること自体が夢心地です」

 ――球団から「あなたしかいない」と託された。

 「心の中で『俺しかいないのか?』……とは思っていないですよ?(笑い)大体ひと月ぐらい前にお話をいただいた。どうやったら勝てるチームにできるかなということを考えたうえで、お返事させていただきました」

 ――今季の1軍をどう見ていたか。

 「打てなかったことがこの6位という順位(につながったわけ)であり、ここをどうしようかなと監督を引き受けてから頭の中でぐるぐるといろいろと考えています。ピッチャー陣はやっぱり1点取られたら、もうしんどい。野手陣は『早く点を取ってあげないと』という思いで、ちょっとちぐはぐさも出たのかなと」

 ――理想の監督像は。

 「ベンチで1番どっしり、もう何もせずに試合を見ているのが1番いいかなっていうふうには思います。バッテリーを含め、まずは守備から入って、しっかり9回を0で抑え、そしてバッターは何とか少ない点数でもいいから、点数を取って守り抜く。本当に守りの野球っていうのが自分の中では理想。そこに打線がかみ合ってくればいいかなと」

 ――チームは15日から秋季練習。どのような言葉をかけたいか。

 「今ここで言えることは、今年こういう成績だったということで、しっかり秋季練習、秋季キャンプやってもらいますよ、と。もうそれだけです」

 ――選手時代に常勝チームをひっぱった。監督に生かせるものはあるか。

 「自分自身はメンタル的に強い人間だと思っています。今はちょっとメンタルが弱い選手が多いように見受けられます。2軍監督を務めていた間、1軍に上がってなかなか結果が出ない選手が多いと感じた。そういう選手たちが1軍の舞台で活躍してくれないと、チームとしても苦労するというか、しんどい。2軍同様に1軍でも活躍できるようになってほしい」

 ――メンタルを課題に感じた具体的な理由は。

 「1番分かりやすいのが、2軍では自分らしいバッティングで成績を残せるけど、1軍に上がるとどうしても結果を求めるというか、成績を出さなければいけないという思いが強すぎるように見える。それでやっぱり(打)率が上がってこないというところがあると思う。そういう考え方でやっぱり1番、自分は感じましたね」

 ――来季どのような成績を残せば自分に合格点をつけられるか。

 「数字は現役の時だったら2桁(勝利)が最低ラインと自分の中で考えてやっていましたけど、数字的なことはあんまり考えずに、そこにとらわれてしまうと自分の考え方も柔軟な考え方ができなくなってしまうかもしれないので。どうやって選手の力を伸ばしていけるかに気持ちを置いて取り組んでいきたい」

 ――鳥越裕介ヘッドコーチに期待すること。

 「自分はご覧の通りおおらかな人間なので。時には厳しいですけど。鳥越さんには僕よりも厳しく選手に接していただけたらなと思っています」

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