西田敏行さん=2018年12月、東京都港区、飯塚悟撮影

 映画シリーズ「釣りバカ日誌」で知られる俳優、タレントの西田敏行(にしだ・としゆき)さんが死去した。76歳だった。

 1947年、福島県郡山市生まれ。70年に青年座に入り、主役として演じた舞台「写楽考」で注目される。初主演した80年のテレビドラマ「池中玄太80キロ」が高視聴率を記録し、NHK大河ドラマ「おんな太閤記」などでお茶の間の人気者となった。

 88年から漫画原作の「釣りバカ日誌」の映画シリーズに出演。名優三國連太郎とのコンビで、釣りに熱中する「ハマちゃん」こと浜崎伝助に扮して、当たり役に。シリーズは2009年まで22作続いた。

 近年では、北野武監督の「アウトレイジ」シリーズで暴力団幹部を迫力満点に演じた。愛敬たっぷりのサラリーマンから、こわもてのヤクザ者まで幅広く演じ分け、ドラマ、映画の出演作は270本を超えた。

 歌手活動も展開し、81年に発表した「もしもピアノが弾けたなら」が大ヒットした。歌手としてNHK紅白歌合戦に4回出場、司会も務めた。バラエティー番組でもマルチな才能を発揮。「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)では、司会役の「局長」を01年から19年まで務めた。

 日本俳優連合理事長、日本アカデミー賞組織委員会副会長などを務めた。89年に「敦煌」、94年に「学校」でそれぞれ日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。08年に紫綬褒章、18年に旭日小綬章を受章。

共有
Exit mobile version