コープさっぽろ(札幌市)は21日、網走ビール(北海道網走市)、キリンビール(東京)と共同で、規格外のジャガイモを活用したクラフトビールを発売すると発表した。個性的な味わいから人気が高まっているクラフトビールの需要にこたえるとともに、フードロスの削減にもつなげる。
名付けて、「ベジビール」。芽室町の農家の規格外ジャガイモを使って、白ブドウやかんきつ系のような香りで、苦みの少ないすっきりとした味わいに仕上げた。原材料は、麦芽約8割に対してジャガイモのでんぷんを2割弱使用。ただ、ジャガイモの味や香りを直接感じることはほとんどないという。
コープさっぽろの店舗では4月1日に発売。組合員専用の宅配でも取り扱う。1本(350ミリリットル)税込み658円。アルコール度数は6%。1万2千本の数量限定製造で、なくなり次第、販売を終了する。この製造で、今まで加工用などに使われていた規格外のジャガイモ約2トンを使用するという。
コープさっぽろでは「お酒全体の販売ボリュームが下がってきているなかで、クラフトビールは若年層や訪日外国人などにも人気が高まっている。農業大国の北海道では、農作物をたくさんつくるがロスも多い。フードロスの社会問題解決に向け、ジャガイモ以外のパターンでも商品化を試みたい」としている。
ベジビールの販売にあたっては、地ビール製造業の網走ビールが製造し、キリンビールは味覚の監修を手がけた。