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野尻真智子さん(右)とパートナーが「息子」の1歳記念に撮影した家族写真=2018年1月、野尻真智子さん提供

 同性婚を認めない民法と戸籍法の規定は「違憲」とする司法判断が各地の高裁で相次いでいる。7日には名古屋高裁でも違憲判断が示され、「子の生命・身体・福祉に関して深刻な問題が生じうる」として同性カップルの子育てについても踏み込んだ。子どもと暮らす同性カップルからは、「『男女でしか結婚できない時代があったんだ』って言えるようになってほしい」と早期の法制化を望む声が上がっている。

 名古屋高裁の原告の大野利政さんと鷹見彰一さん=いずれも裁判上の仮名、30代男性=は、2023年から里子を養育している。婚姻関係が無ければ養子縁組里親になれないため、養育里親として子どもを育てる。

 鷹見さんは裁判で、「養子縁組里親の選択肢があれば、法的な親として権利を行使できたのでは」と訴えた。子どもの看護休暇は取得できない。親権のないパートナーが子の受診に付き添うと、医療機関から親権者を連れてくるように求められることもあるという。

 名古屋高裁判決では、「親権がない者の同意によって子が医療行為を受けられるかどうかは医療機関の個別の判断に委ねられる」として、不利益が生じ得ると指摘した。

立ち会えず、壁越しに聞いた産声

 こうした判決に、同性パート…

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