スペイン・バルセロナは世界有数の観光都市だが、オーバーツーリズム(観光公害)が社会問題化している。バルセロナがあるカタルーニャ州のイジャ首相に対策を聞いた。
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――バルセロナで昨夏、住人が観光客に罵声を浴びせたり水鉄砲を撃ったりするシーンは、日本でも話題になりました。なぜ、住人は観光客を敵視しているのですか。
まず最初にお伝えしたいのは、日本の皆さん、どんどんとカタルーニャに来てください。(建築家)ガウディのサグラダ・ファミリア教会や(美術家)ジョアン・ミロの作品、サッカー観戦や市街地散策、ぜひ楽しんでください。我々はいつでも大歓迎です。
しかし残念ながら、観光客の増加によって数々の問題が引き起こされたことも事実です。最も大きいのは家賃の上昇。10年前と比較して、家賃は2倍になりました。観光客が増え、それに伴い(米民泊仲介大手)Airbnbのような民泊業者が増え、住宅が不足し、家賃が高騰するという悪循環に陥りました。地元民は困難に陥っていたのです。
1万超の民泊、2028年に全面禁止
――どのような対策が取られているのですか。
バルセロナでは州政府の支持…