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解体予定の家屋で見つかったツバメの巣=県鳥獣保護センター提供

 解体中の富山県砺波市の家屋で、複数のひながいるツバメの巣が見つかった。巣を見つけた解体業者が県鳥獣保護センターに相談。その結果、ツバメのひなの命を守ることを優先し、工事の延期を決めた。

 センターや業者によると、木造2階建て住宅の解体工事が5月22日から始まった。玄関の軒下にツバメの巣があり、少なくとも4羽のひながいるのを業者が同27日に確認。業者がセンターに相談した。

 「解体予定の家屋にツバメの巣があり、工事に支障があるので、何かいい方法はないか」。センターは「人間が巣に触れた場合、親鳥がひなを育てるのをやめる可能性がある」などと解体業者に伝えた。

 解体業者は工事に関わるほかの業者などと話し合い、ひなが巣立つまで作業を延期することを決めた。順調に育てば巣立つまで20日前後かかり、工事も遅れる見通し。

 センターの担当者は「苦しい決断だったと思うが、非常にありがたい。人間の配慮で野生動物の生活環境を守れることを多くの人に知ってほしい」。解体業者の代表を務める50代の男性は「工事が20日前後も遅れてしまうけど、小さなひなたちの命を守ることができて良かったです」と話している。

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