あれれ、ヘンだぞ――。
青森総局で育てている「バケツ稲づくり」。近隣の田んぼでは、穂が出て実り始める「登熟期」に入り、早くも稲刈りしている品種もある。ところが総局の稲は8月下旬に入っても穂が出ていない。異常だろうか。
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前回7月17日付の記事では、苗床からバケツに苗を植え替えた所まで報告した。穂が出ないのは、総局の応接室や3階の中庭といった自然から隔絶した環境にあるから、といえばそうかもしれない。
県の「農林水産力」強化本部が8月1日付で出している「稲作生産情報 高温対策臨時号」では、「水稲出穂(しゅっすい)状況は県全体で95%となり、出穂最盛期は平年より7日早い7月28日であった」とある。
バケツ稲づくりのマニュアルに従い、茎がどんどん分かれて本数が増える「分げつ」、水を落として根を丈夫に育てる「中干し」期まで順調だった。穂の赤ちゃんができて茎がふくらみ、約20日で穂が出る、という。植え替えが6月下旬。8月には出穂するはずだった。
JAグループが出すバケツ稲づくり通信(8月15日付)のQ&Aのコーナーでも「穂がまだ出ません」という質問がある。「大丈夫です。病気やすっかり枯れてしまっていないかぎり、穂は必ず出ます」と自信たっぷりに回答している。
バケツ稲づくりの窓口を担う…