Smiley face
写真・図版

 あれれ、ヘンだぞ――。

 青森総局で育てている「バケツ稲づくり」。近隣の田んぼでは、穂が出て実り始める「登熟期」に入り、早くも稲刈りしている品種もある。ところが総局の稲は8月下旬に入っても穂が出ていない。異常だろうか。

  • 【前回の記事はこちら】米騒動対策?記者がバケツでコメづくり ゆる~く挑戦、日々観察中
写真・図版
バケツ稲の茎のアップ。芽のようなものが見えるが「穂なのか、判断がつかない状態」(JA青森中央会)=2025年8月24日午後4時38分、青森市、江湖良二撮影

 前回7月17日付の記事では、苗床からバケツに苗を植え替えた所まで報告した。穂が出ないのは、総局の応接室や3階の中庭といった自然から隔絶した環境にあるから、といえばそうかもしれない。

写真・図版
青森総局3階中庭のバケツ稲。まだ穂の姿はない=2025年8月27日午後0時24分、青森市、江湖良二撮影

 県の「農林水産力」強化本部が8月1日付で出している「稲作生産情報 高温対策臨時号」では、「水稲出穂(しゅっすい)状況は県全体で95%となり、出穂最盛期は平年より7日早い7月28日であった」とある。

 バケツ稲づくりのマニュアルに従い、茎がどんどん分かれて本数が増える「分げつ」、水を落として根を丈夫に育てる「中干し」期まで順調だった。穂の赤ちゃんができて茎がふくらみ、約20日で穂が出る、という。植え替えが6月下旬。8月には出穂するはずだった。

 JAグループが出すバケツ稲づくり通信(8月15日付)のQ&Aのコーナーでも「穂がまだ出ません」という質問がある。「大丈夫です。病気やすっかり枯れてしまっていないかぎり、穂は必ず出ます」と自信たっぷりに回答している。

 バケツ稲づくりの窓口を担う…

共有