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黒瀬晴香さんと制作中の鬼瓦=2024年5月20日、愛媛県今治市、神谷毅撮影
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 反発しながら、迷いながら、伝統の技によるものづくりを残そうと奮闘する「鬼師」がいる。愛媛県今治市で「菊間瓦」の鬼瓦を作る黒瀬晴香さん(35)。「感動物語の記事にするのは嫌」という黒瀬さんに会った。

――菊間瓦はいつから作られていますか

 750年ほど前からです。瀬戸内の気候は温暖で瓦の乾燥に適し、燃料になる木材もたくさんあったためです。

 鬼瓦は、棟の端につけられた装飾性の高い瓦。厄よけもありますが、屋根に水が入らないようにする機能もあります。鬼瓦を作る職人を「鬼師」と呼びます。

――所属する「菊銀製瓦」はいつの創業ですか

 1879年で、父が4代目となります。私は2007年に高校を卒業してすぐに入社しました。鬼師は祖父が初代で、私が継いだ形です。

 小さいころ、祖父から粘土を…

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