訪問介護の事業所について、今年6月の廃業数が前年同月比で1割程度増えたことがわかった。厚生労働省が12日、審議会の分科会で自治体への調査結果を明らかにした。訪問介護を巡っては、基本報酬が4月に引き下げられ、事業所の経営への影響を懸念する見方が出ていた。

 調査では都道府県や政令指定市など129自治体を対象に、訪問介護事業所の廃止数を尋ねた。年度末にあたる3月の比較(回答率83.7%)では、23年の339事業所が24年は376事業所と10%程度増えた。改定後となる6月の比較(回答率97.6%)でも、23年の119事業所が24年は133事業所となり、11%程度の増加となった。同省は「3月と6月(改定前後)で大きく傾向が変わったわけではないが、いずれも人員不足や職員の高齢化によって廃業数が増えている」(老健局の担当者)とみる。

 こうした状況を踏まえ、厚労省は報酬改定全体の影響を調べ、訪問介護事業所の廃業などの経営状況や職員の処遇改善についても分析する。冬にかけて集計し、来年3月ごろに結果を公表する予定。来年度以降、介護の職業としての魅力を広報したり、人材確保に向けて都道府県を支援したりする方針だ。

 3年ぶりとなる今年の介護報…

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