高島屋社長 村田善郎(むらた・よしお)1961年生まれ。85年に高島屋入社。柏店(千葉県柏市)の店長や、常務などを経て19年3月から現職=2024年7月8日、東京都中央区、岩沢志気撮影

 大手百貨店の業績は好調で、高島屋も2024年3~5月期決算は前年比で増収増益となりました。ただ、村田善郎社長は先行きをあまり楽観しているようには見えません。売り場を通じて感じる消費動向などについて話を聞きました。

主要100社景気アンケート

朝日新聞の「主要100社景気アンケート」で、各社の経営陣にインタビューした内容を随時配信します。

 ――国内の景気をどう見ますか。

 「足踏み状態だと考えています。大きな流れでいえば、昨年5月に新型コロナウイルス感染症が『5類感染症』になった後に盛り上がった消費が一巡した、というのが現状だと考えています」

 「いま実際に店頭で買い物をされている方の中では、やはり訪日外国人のお客様が増えています。円安を背景とした消費が大きくなっています。国内の個人消費でいうと、賃上げの効果がまだ表れているのか否かがわからない状況です。いわゆる国内の中間層の消費に力強さが戻ってきたのかと言えば、そこまで実感は湧いてこないというのが正直なところです」

 ――中間層の足踏み状態というのは、扱う商品ではどの分野で感じますか。

 「アパレルですね。コロナ前…

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