Smiley face
写真・図版
金融庁の看板=東京都千代田区

 証券口座を乗っ取られ、勝手に中国企業株などを購入される被害が急増している。不正取引は2月~4月中旬で1454件に上り、金融庁が注意を呼びかけている。

  • ネット証券で詐欺被害、補償難しい? ネット銀は原則補償なのになぜ

 金融庁によると、楽天、SBI、野村、SMBC日興、マネックス、松井の証券6社から被害の報告があった。不正取引は2月は33件だったが、3月に685件、4月は16日までに736件と急増し、合計で1454件に上る。

 手口は似通っている。偽サイトに誘導するフィッシング詐欺などでIDやパスワードを盗み、顧客になりすまして口座を操作。顧客の株式や投資信託を勝手に売却し、代わりに取引の少ない中国企業株や国内の小型株を大量に購入するケースが多い。犯罪グループは、こうして価格をつり上げた上で、あらかじめ保有していた株を売却して利益を得た可能性がある。

 顧客の口座からは、計約506億円分の株式が勝手に売却され、計約448億円分が勝手に買い付けられた。株価の変動などがあり、損失額の確定は難しいという。

新NISAで口座増える

 新NISA(少額投資非課税…

共有