不正アクセスへの注意喚起を促す日本証券業協会のホームページ=2025年5月1日、東京都中央区、関田航撮影

 証券口座が不正アクセスで乗っ取られ、株式が勝手に売買されている問題で、金融庁は証券会社に対する監督指針を大幅に改定する方針を固めた。指紋認証や顔認証などの強いセキュリティー対策を必須化した上で、対策が不十分なまま被害の多発を招いた場合は業務改善命令を出す方向で検討している。

  • 証券口座、ワンタイムパスワードも突破の恐れ 同時進行で乗っ取り

 過去に例を見ない手口の犯罪で、不正取引の売買額が5千億円を超えてなお事態の収束が見通せない中、証券会社に強く対応を迫る。

 金融庁が検討している監督指針の改定案によると、証券会社を装ったメールから偽サイトに誘導し、入力させたID・パスワードを盗むフィッシング詐欺の対策を大幅に強化させる。メールやSMS(ショートメッセージサービス)などにはログイン先のURLやリンクを載せないほか、真正なサイトや正規のメールと確認できる措置の導入を求める。

求める多要素認証、具体的に提示

 本人確認については、ログイ…

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