証券口座の乗っ取りが急増している問題で、株式が勝手に売買されるといった不正取引が特定の証券3社に集中していたことがわかった。被害はその後、中堅も含めて拡大しており、犯罪グループは対象を広げているとみられる。

証券会社をかたったフィッシング詐欺とみられるメール。証券の「証」の字体が3種類出てくる

 金融庁の4月末時点の集計によると、野村、大和、SMBC日興、楽天、SBI、三菱UFJモルガン・スタンレー、マネックス、松井、三菱UFJeスマートの証券9社から、計3505件の不正取引の報告があり、売買額は3千億円を超えた。業界関係者によると、3505件のうち、野村、SBI、楽天の3社にそれぞれ1千件程度が集中したという。

 証券口座を乗っ取る手口としては、証券会社をかたったメールを送って偽サイトに誘導し、入力させたIDやパスワードを盗む「フィッシング」が多い。民間企業でつくるフィッシング対策協議会によると、個人から報告が寄せられたフィッシング詐欺メールのうち、「証券系」が急増。1月は102件、2月は787件だったが、3月は1万351件、4月は6万2851件に膨らんだ。

「日本はスパムメール天国」

 報告全体に占める証券系の割…

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