陸上女子1500メートルの米国代表ニッキ・ヒルツ(29)は、五輪の大舞台で自分の「居場所」をかみしめていた。
東京五輪を目指していた2021年、「自分のことを理解して受け入れて欲しい」と、自らの性別を男でも女でもない「ノンバイナリー」だとカミングアウトした。「私の性別は流動的で、日によって女性であるような気になったり男性であるような気になったりする」と説明した。
陸上種目を統括する世界陸上連盟は、出生時の性別が女性で、ホルモン投与がなければ、女子種目での出場を認める。しかし、SNSで「平凡な男」「詐欺師」と中傷され、「スポーツに自分の居場所はない」と落ち込み、最終予選で負けた。
それから3年間、毎日の練習…