「名古屋国際映画祭」という実態不明の映画祭のサイトが突如現れた。悪質なのは、実在する映画館の写真などを無断で使い、目的が詐欺とみられることだ。ほかにも架空と思われる「映画祭」のサイトが出現し、関係者はX(旧ツイッター)で注意を呼びかけ、早急な対処を求めている。
「名古屋国際映画祭」をかたる架空とみられる映画祭サイトで、住所や写真を無断で掲載されたのは、名古屋市中村区のミニシアター「シネマスコーレ」。
支配人の坪井篤史さんによると、22日午前、シネマスコーレに男性から「名古屋国際映画祭に作品を応募したい」という趣旨の電話がかかってきた。
当初は、同館代表の木全純治さんが独自に企画したものかと思ったが、映画祭があるとされる期間が同館が貸し館をしていない時期だったので、不審に思ったという。
「名古屋国際映画祭」のサイトを坪井さんが確認したところ、シネマスコーレの住所や写真が使われていたという。なかには、シネマスコーレで過去に実際にあった舞台あいさつの写真に、架空のロゴを合成したとみられる写真もあった。
坪井さんが内部で確認を取ると、このような企画はなかった。男性には、同館と映画祭は無関係であることと、映画祭自体に不審さがあることを伝えたという。
今回の一件について坪井さんは「映画祭で自分の作品を上映したいと思った作家たちからエントリー料をだまし取る詐欺ではないか」と推測する。
サイトには英語表記もあったようで、海外から応募する人たちもターゲットだったとみられる。「このサイトを放置していたら自分たちも詐欺に加担していたかのような風評被害を被ったかもしれない」と指摘。ミニシアターや日本の映画祭への風評被害にもつながりかねないと、早急な対処の必要性を訴えている。
シネマスコーレは22日、サイトのURLとともに「一切の関係、連絡はございません」との注意喚起をXに投稿。23日現在、サイトは削除されている。また、シネマスコーレは、愛知県警に相談したという。
こうした架空と見られる映画…