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 東京湾の海岸から約150メートル。初夏、プロ野球千葉ロッテマリーンズの本拠地「ZOZOマリンスタジアム」(千葉市美浜区)に吹き込む海風は、試合に熱中するファンを心地よくさせる。海、風、そして広い空にも恵まれたこの球場は、様々な表情を見せる。

 5月のある日。雲の流れが速い青空のもと、午後6時にナイトゲームが始まった。退勤そのままに駆けつけたワイシャツ姿の観客も応援に加わり、球場の熱が増す午後6時半ごろ、西の空がオレンジ色に染まる。ロッテファンが陣取る一塁側スタンド越しの夕焼けは、試合中継でも触れられるほどの美しさだ。

夕暮れ時のZOZOマリンスタジアム。内野スタンドの最上段から東京湾越しに富士山が見えた。中央の「窓」からは海が見えている。この日はロッテ・佐々木朗希選手が先発。時速160キロを超える直球にスタンドは沸いた=千葉市美浜区、嶋田達也撮影

【撮影ワンポイント】ZOZOマリンスタジアム

 普段の取材はグラウンドの選手たちを追うが、この日の被写体はスタンドや空。「窓越し」に東京湾を進む船。雲を残して飛んでゆく航空機。打球のゆくえに注意しながら撮影した。春は空気がかすむが、富士山の姿も見えた。ロッテ先発は佐々木朗希投手。時速160キロの速球に沸くスタンド。ぜいたくな時間が流れた。  (嶋田達也)

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 空が赤やピンク、紫など何色もの層に見える「マジックアワー」。ロッテでは昨季、この景色をイメージした期間限定ユニホームを作り、選手が試合で着用した。それほどに球場の名物となっている。

写真・図版
夕暮れ時のZOZOマリンスタジアム=千葉市美浜区、嶋田達也撮影

 ベンチからはどんな景色が見…

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