「さあ、行こう!」。グラウンドに走り出す4人の審判=2025年7月15日午後0時16分、紀三井寺、寺沢尚晃撮影

 和歌山県高野連審判部には、すべての審判委員で共有していることがある。試合が始まる時の、球審の掛け声だ。

 「集合!」ではない。

 「さあ、行こう!」

 30年ほど前から多くの球審がこの掛け声をとり入れてきたが、3年前から委員全員で統一した。

 「試合の主役は選手たち。大人が子どもに命令するような『集合』といった口調ではなく、『みんなで野球を楽しもう』という意味も込めている」と吉野久幸部長は話す。

 和歌山大会だけではない。春秋の近畿大会、春夏の甲子園の試合でも、和歌山の審判委員が球審を務める試合では「さあ、行こう!」でスタートする。

 15日も、第2試合の北田直也球審が、ベンチ前に整列する選手たちに「さあ、行こう!」と呼び掛けた。

 吉野さんをはじめ、総勢41人の審判委員。休日返上、平日でも仕事をやりくりしながら、球児のプレーを見守る。

 この夏も、紀三井寺の34試合で「さあ、行こう!」がこだまする。

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