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舞子の中谷洵稀投手=2025年7月20日午前10時44分、明石トーカロ、原晟也撮影

 (20日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会4回戦 舞子0―2宝塚)

 表情はゆがんでいた。延長十一回に2点を失った。交代のために走ってきた救援投手にボールを渡す。「最後まで投げきりたかった」

 舞子のエース中谷洵稀投手(3年)は、延長十回まで無失点の好投を見せた。

 直球は球速120キロにも届かないが、左腕から繰り出す小さく動く球で相手を打ち取る。この投球スタイルは、悩みに悩んだ末に確立してきた。

 中学でも投手だったが出場機会がなく、「補欠だった」。高校入学後、3年間かけて自分のフォームを探した。顧問の先生と相談し、先輩らのフォームをまねた時もあった。サイドスローにも挑戦したが、ひじや肩への負担が大きかった。フォームは「100回以上は変えた」という。

 昨秋から、直球と球速の遅いツーシームで打たせて取るスタイルになった。「いまでもこのフォームが良かったのかは分からない」。それでも自分の投球をこう評した。「最後まで投げられなかったので、100点はあげたくない。けど、十回まで無失点で投げ続けられた。95点くらいかな」

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