とかく「わかりにくい」と言われる詩。でも詩人の佐藤文香さんは、「わからないことが、言葉になって見えてくるのが面白い」と語ります。SNS時代の今、「詩の力」とは。
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詩を書き始めてまだ10年くらいですが、詩というのはそもそも「わかりにくいもの」のような気がします。私に関して言えば、必ずしも意思とか意図のような、伝達すべき中身があって書いているわけではないので、わからなかったと言われることもよくあります。
書き手としては、作者自身にさえわからないことが、書くことで言葉になって見えてくるのを面白がっているようなところがあります。詩を書いていると、いつのまにか海岸を走っていたり、大きな犬と出会ったりするんですよ。詩が私を知らない世界に連れて行ってくれます。
文脈のある詩が面白かったと…