文化庁が認定する「日本遺産」で、福岡県と佐賀県内の自治体がかかわる「古代日本の『西の都』」が低評価となり、初の除外対象となった。18日、福岡県内の自治体関係者が県庁に集まり、対応を話し合ったが、県幹部からは「文化財と観光を同じ基準で見るのはどうなのか」と反発する声も上がっている。
日本遺産は文化庁が2015年に始め、これまでに約100件が認定されている。「西の都」は、古代の大宰府政庁跡(福岡県太宰府市)を中心に福岡県筑紫野市や佐賀県基山町など7市町に構成文化財があり、東アジアとの文化や人の交流をテーマに15年に認定された。太宰府を起点として「道」や「城」、迎賓施設など、古代の都市機能がわかる「壮大な『西の都』を語る文化財」とアピールしていた。
文化庁は認定件数を100件程度を上限とする考えで、24年度から入れ替え方式を導入。観光事業化や普及啓発など七つの指標で点数評価(42点満点)をした結果、「西の都」は「来場者が日本遺産のストーリーをどこまで認識・体感しているか不明瞭」「(太宰府からの)周遊対策が不足」「住民からの認知度が低い」などと指摘され、対象5件の中で最低評価の31点となった。
福岡県幹部は「取り組みが文化財を守る日本遺産じゃなくて、日本観光遺産になっている。(日本遺産除外と言われると)文化的な価値がなくなってしまったような誤解を生む」と文化庁の判断を疑問視する。周遊対策不足を指摘されたことについては「基山町にまでまたがり、山も多い。移動も大変。バスを走らせればお金がかかる」と反発する。
18日の会議では、非公開で…