近年、夏休みの宿題に苦しむ子どもたちを救おうと登場した宿題代行サービス。「助かる」「子どもの力にならない」など賛否がある中、実態はどうなっているのか。かき入れ時の8月初旬、業者を訪ねた。
千葉県茂原市の一軒家の2階。「宿題代行救急隊」の荒木聡代表が黙々と、ヘミングウェーの「老人と海」を読んでいた。代行するのは、読書感想文。傍らに並ぶ様々な課題図書の各ページには、びっしりと、メモを書いたふせんが貼ってある。
荒木さんの本業はオンラインで数学、英語、理科、作文を教える塾講師だ。2018年、「その後の学習支援につなげられるかもしれない」と思い、副業として「宿題代行救急隊」を始めた。実際にサービスを始めてから、問題集などの宿題代行を依頼してきた子どもに対し、1対1のオンライン授業をしたこともあるという。
荒木さんのもとには毎夏、10~20件の代行依頼が来る。依頼の半数を占めるのが読書感想文だ。特に多いのは受験を控える小学6年生と中学3年生の保護者からの依頼で、全依頼の8割を占めるという。
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ただ、AI(人工知能)アプリの広がりにより、依頼件数は減少傾向にある。荒木さんは「アプリを使えば数秒で答えが出る時代。問題集などのプリント系の依頼は減っている」と話す。
コツは「共鳴」
読書感想文も、アプリにタイ…