9月の自民党総裁選に岸田文雄首相(総裁)が不出馬を表明したことを受け、「宏池会(岸田派)」が推薦人集めの草刈り場になりつつある。派内から林芳正官房長官(63)と上川陽子外相(71)が出馬を模索するほか、派外候補者の支持へ動く一部議員も。総裁派閥の分裂は、派閥が機能しにくい今回の戦いを象徴している。
「(総裁選に)出ようと思っている。上川さんも出る話を聞く。出遅れてはいけない。他の議員の様子はどうか」
16日午後、林氏が岸田派の若手議員から情報収集した。数時間後、今度は上川氏が同じ議員の電話を鳴らした。「出ると決めました」
同じ派閥から重鎮議員2人が出馬を探る動きに、若手議員は「正直、どちらに対しても、推薦人になります、応援しますと、今すぐ言うのは難しい。股裂き状態だ」と頭を抱える。
両氏から電話で支援要請を受…