避難訓練のため牛舎から牛を移動させる矢板高農業経営課の生徒たち=2025年5月30日午前9時7分、矢板市片俣、重政紀元撮影

 地震などの大災害が起きた場合、牛などの家畜を避難させることはできるのか――。過去の災害では水道や道路といったライフラインが寸断され、家畜が餓死するケースもあった。だが家畜の避難には課題が多く、行政の動きも鈍い。そんな中、栃木県内の専門高校が「牛の避難訓練」に取り組んだ。

学校の牧場を避難場所に活用、1~2カ月の対応可能

 牛の避難訓練を実施したのは、矢板市の栃木県立矢板高校農業経営科の生徒たちだ。5月、農協職員から助言を受けながら、市内の農家佐々木光子さん(79)の牛舎から繁殖用の牛2頭をトラックに乗せ、高校に併設された放牧場まで運んだ。

 佐々木さんの牛舎では、繁殖用の母牛6頭と子牛2頭を飼育する。2011年の東日本大震災の際は水道が止まり、1週間ほど近くの川から人力で水を運んだという。「各地で大きな災害が相次いでいて、不安に感じていた。万一の時に避難させることができるのであれば心強い」

 放牧場では普段は同校が繁殖用の牛を10頭飼育している。広さは約4・8ヘクタールで、数百頭を収容でき、エサも牧草や備蓄などで1~2カ月分はある。近くの沢から水を引く設備や、感染症対策のための区分け柵を設置すれば、設備面での受け入れは可能だという。

発案のきっかけは「地域のため」

 同校では昨年から避難訓練を…

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