農林水産省の建物=東京都千代田区霞が関、山田暢史撮影

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、農林水産省は27日、「有明海再生加速化対策交付金」を創設するため、2025年度の政府予算案に10億円を計上したと発表した。江藤拓農水相は同日、「今後10年間で総額100億円を措置し、漁業環境の改善を諮る」との談話を発表した。

 諫早湾干拓事業をめぐっては昨年3月、最高裁が、開門調査を求める福岡高裁判決の強制執行力をなくす決定を出した。これを受け、国は開門せず、有明海の再生を進めるため、100億円の漁業振興基金を創設する方針を示し、福岡、熊本、長崎4県の漁業関係団体が賛同していた。

  • 令和の米騒動、価格高騰の裏で 「時給10円」生産現場からの悲鳴

 ただ、その後、事業内容を見積もったところ、「(一括交付の)基金ではなく、(年度ごとの)交付金が適切」(関係者)などとして方針転換された。交付金により、漁場環境の改善や新技術導入などを支援する。

共有
Exit mobile version