なめ、かみ、顔にすりつけ、地面をゴロゴロ転がるネコのマタタビ反応。江戸時代の浮世絵にも描かれた光景だ。しかし、その生物学的な意義や反応のメカニズムはずっと謎に包まれていた。
この謎を解き明かそうと挑んできた岩手大大学院の上野山怜子さん(27)に、日本学術振興会から「育志賞」が贈られた。岩手大院生の受賞は初めて。推薦された博士課程の若手研究者177人から19人が選ばれた。
岩手大農学部3年の秋、ネコについて行動解析と最新の科学技術を組み合わせた研究を進めている農学部の宮崎雅雄教授の研究室に加わった。マタタビ反応の謎に魅了された。大のネコ好きだったが、入学前にネコが研究テーマになるとは想像もしていなかった。
実験を積み重ね、たどり着い…