Smiley face
球状星団について、シミュレーションを画像化した。星々が合体して太陽の質量の1万倍もの巨大な星になり、最終的には太陽の数千倍の中間質量ブラックホールになるという=藤井通子氏、武田隆顕氏提供
  • 写真・図版

 東京大などの研究チームは31日、謎の多い「中間質量ブラックホール」の生まれる様子を明らかにしたと発表した。スーパーコンピューターによるシミュレーションの結果、球状星団ができる過程で数千個の星々が合体していく様子を再現。最終的に太陽の数千倍の質量をもつブラックホールができるという。

 ブラックホールは巨大な重力で光さえ吸い込む天体。アインシュタインの一般相対性理論をもとに、1965年に存在が理論的に証明された。その後、銀河系の中心部の星々の動きから、太陽の約400万倍の質量のブラックホールが存在することが判明。2019年には、日米欧の研究チームが、地球から約5500万光年離れた銀河「M87」にあるブラックホールの撮影に初めて成功したと発表した。

 これまで観測されたものは、太陽の質量の10万倍以上で銀河の中心にある巨大ブラックホールか100倍以下の恒星質量ブラックホールだ。100~1万倍の中間質量ブラックホールは存在するのかどうか議論がわかれており、中でも数千倍のものは謎に包まれている。

 中間質量ブラックホールが存…

共有