感想戦を見つめる豊島将之九段(中央)=大阪府泉佐野市

 藤井聡太名人、永瀬拓矢九段とタイトル戦で名勝負を繰り広げてきた豊島将之九段が、9、10日に大阪府泉佐野市で指された第83期将棋名人戦七番勝負第3局の副立会人を務めた。元名人で前期挑戦者の目に、最高峰の戦いはどう映ったのか。

 名人戦では、タイトル戦最長の9時間の持ち時間が両対局者に与えられる。さらに2日制の対局で唯一、2日目夕に30分の休憩がある。

 豊島九段はこの夕休後の「夜戦」を、名人戦の大きな特徴、最も印象深いシーンの一つに挙げた。「2日間ずっと難しい局面が続いてきて、夕休後、さらにもう一勝負ある感じです」

 名人戦の歴史を振り返れば、2日目の夜戦で数多くのドラマが生まれている。豊島九段が藤井名人に挑戦した昨年の名人戦でも、夕休後に形勢は二転三転。特に第1局は「豊島勝勢。終局近し」の局面から大逆転負けを喫し、「読みからすっぽ抜けてしまった」との敗戦の弁を残している。

 名人戦で求められるものは何…

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