JR東海グループの「豊橋駅ビル カルミア」にも等身大パネルが設置されている。手にした「グッズ」は自前で用意したという=2024年3月10日、愛知県豊橋市花田町、戸村登撮影
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 愛知県豊橋市など東三河地域が舞台のライトノベル「負けヒロインが多すぎる!(略称マケイン)」のテレビアニメ化を前に、市やJR東海がタッグを組んで「聖地化」の取り組みを進めている。ファンを県外から豊橋へ呼び込もうと仕掛けが始まっている。

 「マケイン」とは、豊橋市の男子高校生が主人公の青春ラブコメディー。恋が実らなかった「負けヒロイン」たちと主人公との学園生活が描かれている。ライトノベルは6巻、コミックスは2巻が刊行され、7月からアニメの放映が始まる。

 豊橋市で2月にあったウォーキングイベントは「マケイン」との連携企画でこの日、さっそく「巡礼者」が現れた。

 従来のウォーキングだと参加者は平均1千人ほどだが、この日の参加者は約2700人。豊橋駅を出発し、「マケイン」の主人公が通う高校のモデルとされる県立時習館高校や、作品にも登場する豊橋名物の店を巡る約7・5キロのウォーキングコース。うどん店「みやこ」には約180人が食事に訪れ、「コンドーパン」は通常の土曜日の2倍以上の売り上げだった。小説に登場する精文館書店豊橋本店でも「マケイン」の文庫とコミックが1日で222冊売れた。

 浜松市から参加した男性会社員(51)は「登場人物の気持ちになった感じ」と笑顔を見せた。

 主催したのはJR東海で「マケイン」に関するイベントを開くのは2回目だった。同社は昨年も発行元の小学館とタイアップし、人気投票を開催。JR東海は2月の「ウォーキング」企画に続き、3月から4月14日まで市内を周遊する新たなイベントも開催中だ。6ケ所を巡るスタンプラリーで、「マケイン」の著者・雨森たきびさんのオリジナルショートストーリーも読めるなど楽しく歩ける仕掛けがある。

 この企画を担当するJR東海営業本部の出川ゆかりさん(37)は、「作者が豊橋出身で、舞台も豊橋が中心。市やコンテンツの会社と一緒に『聖地づくり』を進めて今後もこの作品を応援していく」と話す。新幹線の駅がある豊橋には、首都圏や関西からの大勢のファンの呼び込みに期待がかかる。

 豊橋市も「マケイン」の影響…

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