田原市博物館のテーマ展「開業100年渥美線展」。まぼろしの渥美線の計画も紹介されている=2024年8月12日、愛知県田原市田原町、戸村登撮影

 創立100周年を迎えた豊橋鉄道をテーマにした展覧会が、沿線の愛知県豊橋、田原両市の博物館で開かれている。渥美線と東田本線(市内線)を運行する同鉄道は、1924(大正13)年3月に豊橋電気軌道株式会社として生まれた。100年の歩みを振り返ろうと両博物館がそれぞれ企画し、大勢の鉄道ファンらでにぎわっている。

 豊橋市美術博物館で開催されているのは、企画展「豊橋鉄道100年 市電と渥美線」。豊橋市が近代都市になっていく中で、市内線と渥美線が果たした役割を紹介。当時の地図や時刻表、古写真などのほか、方向表示板やヘッドマーク、切符などが展示されている。市内の「市電のある風景」を描いた伊奈彦定さんの原画40点も。16日まで(月曜休館。祝日は開館)。観覧料は一般・大学生500円、小中高生200円。

 田原市博物館では、テーマ展「開業100年渥美線展」を開催中だ。新豊橋駅と三河田原駅を結ぶ渥美線(18・0キロ)が開業した経緯や、90年前に計画され、半島の先端まで建設されるはずだった「まぼろしの渥美線」についてくわしく紹介。いまも各地に残る鉄道計画の痕跡の写真も展示されている。

 終戦の前日、米軍の爆撃機の機銃掃射を受け、成章中学(現・県立成章高校)の生徒らが亡くなった列車が戦後、渥美線を運行していた写真も展示されている。「地域の鉄道の新たな一面を発見する機会にしていただければ」と同館。29日まで(月曜休館。祝日は開館し翌日休館)。観覧料は高校生以上310円、小中学生150円。(戸村登)

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