販売される雪室野菜=岩手県西和賀町、三浦英之撮影

 東北有数の豪雪地として知られる岩手県西和賀町の第三セクター「西和賀産業公社」は20日から、町内でとれた野菜を雪室で貯蔵し、甘みを増やした「にしわが雪室野菜」を、町内の道の駅錦秋湖などで販売する。昨年に続き2回目の試み。評判を呼んでおり、20日直後に売り切れる可能性があるという。

 売られるのは、町内の農家3人や同社が生産した白菜やキャベツ、ニンジン、ジャガイモなど約30ケース。昨秋に収穫した野菜を2月から約2カ月間、40~50トンの雪を入れた雪室で貯蔵した。

 雪室は、雪の多い地域で暮らしの知恵として活用されてきた貯蔵方法。室温が約0度に保たれ、湿度が100%に近いことから、鮮度を保ったまま野菜を保管できる。野菜が寒さの中で凍結を防ごうとデンプンを糖に変えるため、甘みが増すともいわれている。自然エネルギーを活用するため、電力消費の削減や環境負荷の抑制にもつながなる。

 同社商品開発室長の広瀬稔さん(55)は「町の冬の課題である雪を活用し、野菜の付加価値を高めて販売することで、豪雪地の農家を支援していきたい」と意気込む。

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