連載「令和のミスター円」(第2回)
歴史的な円安・ドル高に対応するため、政府・日本銀行が巨額の為替介入に踏み切りました。財務官として介入を指揮した「令和のミスター円」こと神田真人氏のインタビューを軸に、介入の裏側を解き明かします。=敬称略
2021年7月に財務官に就いた神田真人の指揮のもと、政府・日本銀行は総額24兆5114億円にのぼる為替介入を実施した。とりわけ今年4月29日は5兆9185億円を投じ、1日のドル売り円買い介入額としては過去最大だった。
大規模に、そして投機筋に必ず勝つ――。「神田流」の原点は、1990年代にさかのぼる。
財務省が公表している91年4月以降の介入実績をみると、95年前後を境に、介入の手法が変わっていることがわかる。95年5月から大蔵省(現財務省)国際金融局長、97年7月から財務官を務め、数多くの介入の指揮を執った榊原英資はその変化をこう解説する。
「大量に、しかも夏休みや昼…