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公示日の第一声では、活動を支えているボランティアへの感謝の言葉から始まった=京都市

「ママに挑戦させて」私らしい選挙のあり方は

 7月20日、参院選の投開票日の夜。

 京都選挙区(改選2)に立候補した西郷南海子さん(37)の選挙事務所(左京区)の電気は消え、扉は閉まっていた。

 「普通」なら、各党の候補者の事務所には支援者や報道各社が集まり夜遅くまで開票の行方を見守る。

 でも、西郷さんはこの日、3人の子どもたちと自宅のテレビで開票速報を見ていた。

 小学・中学・高校計3人のシングルマザーで、教育研究者。れいわ新選組が京都選挙区で初めて擁立した候補者だった。

 選挙期間中の討論会では、研究者らしく、ベテラン議員にも切り込み、消費税に関する論戦が光った。

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選挙の応援にかけつけた人たちと握手をする西郷南海子さん=京都市

 街頭演説では生活者の目線から、わかりやすい言葉で今の政治を変える必要性を訴え続けた。

 2月、「ママに、挑戦させて」と3人の子どもたちに相談し、初めて選挙に挑むと決めた。子どもたちとの公約は「忙しくても、お弁当はつくる」だ。夜は子どもたちと過ごすと決めた。

 終わりのない家事、子どもの体調管理や勉強のフォロー、学期末の学校の用事……。

 他の人のように、出勤時間帯に駅前での「朝立ち」や、夜遅くまでの活動は難しい。

 それでも「それが選挙なら、その『当たり前』を変えたい」との思いがあった。「子育て中でも、一人親でも、もっと若い人たちでも、普通の人が選挙に挑戦できるようにして、国会に声を届けるべきだ」。自分らしい、選挙のあり方を模索した。

日常の移動時間も活用、武器になったSNSは長男の助言も

 選挙を控えたある日の近所のスーパー。「へんな人と思われているかも」と笑いつつ、れいわカラーのピンクのワンピースに、たすきをかけ、お弁当に使うふりかけを吟味していた。

 「活動時間が制限されている…

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