長女(当時51)の遺体のそばで、父親である被告(81)が意識を失って倒れていた。遺体は毛布の上で仰向けになっていた。
弁護人 「これ(毛布)は誰が敷いたんですか?」
被告 「自分です」
弁護人 「毛布を敷いたのはなぜですか?」
被告 「コンクリートだと冷たいなと思って」
被告は2024年11月4日、新潟県中越地方にある自宅近くの作業小屋で、一人娘である長女から依頼を受け、長女の首を絞めて窒息死させたとして嘱託殺人罪で起訴された。
2月10日にあった新潟地裁での初公判。薄緑色のジャンパー姿で証言台に立った被告は、裁判官から起訴内容に間違いがないかを問われ、「ありません」と小さな声で答えた。同じ日にあった被告人質問では、当日の様子を淡々と語った。
弁護人 「被害者の首をロープで絞めた後、あなたはどうしましたか?」
被告 「すぐ後を追わなきゃならないと思って。眠り薬を飲みました。すぐ失神して意識がなくなりました」
弁護人 「あなたの意識が戻ったのはいつですか?」
被告 「病院の救急病室だったと思います」
弁護人 「意識が戻った後、あなたはどう思いましたか?」
被告 「ああ、自分は生き残っちゃたんだなって」
弁護人 「被害者に対してはどう思いましたか?」
被告 「自分は助かって本当に申し訳ないと」
弁護人 「どうすれば今回のような結末を避けられたと思いますか?」
被告 「自分がもっとしっかりしていればこんなことは起きなかったんだなあ。毎日そう思っています」
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