人口減少が進む地方都市の再生に、独立行政法人都市再生機構(UR)が力を入れている。自治体と連携して、身の丈にあった計画で中心市街地の活性化をめざす。
新潟県長岡市のメインストリートに昨年7月22日、再開発地域「米百俵プレイス」がまちびらきした。長岡駅から徒歩5分の商店街。URが再開発を手がけた。
その中心が、複合ビルの3~5階にある市の施設「ミライエ長岡」だ。蔵書4万冊の図書館は飲食も会話もOK。平日の午後に訪れると学生たちでにぎわっていた。自習していた女子中学生は「めっちゃいい施設。月2回ぐらいは来ています」と話した。
企業と学生の交流の場や起業支援の窓口、3Dプリンターを備えた産学連携施設も入る。ビルの低層階と高層階には地方銀行が入居し、隣にはマンションも立つ。
2年後には、隣にある地方銀行の本店だった建物を市がリノベーションして完成させる。
磯田達伸市長(72)は「米百俵の精神が息づくイノベーションの拠点として充実させていく」と力を込めて語る。
戊辰戦争に敗れた長岡藩は、救援のために届いた米を売って学校の開校資金にした。ミライエはこの学校の跡地にある。
駅前商店街はかつて、百貨店などの大型商業施設が8店ほどあり、にぎわった。だが、1990年代になると車での移動が普及し、信濃川の対岸に大型商業施設がオープンした後は、活気を失った。
そこで市は、市役所機能を駅…