三菱UFJ銀行のずさんな貸金庫管理

 三菱UFJ銀行の支店長代理だった46歳の元行員が、貸金庫から時価20億円弱もの顧客の金品を盗んだとされる事件。長期におよぶ巨額の犯行が見過ごされたのは、三菱UFJ銀行の管理体制と点検手法に致命的な不備があったからだ。

 「貸金庫の管理責任者なら『盗める状態』だったと認めるしかない」。三菱UFJの支店長経験者はそう振り返る。

 事件が起きた2支店では、金庫の鍵は二つ用意し、一つを顧客に預け、もう一つを予備の鍵として銀行側が保管。予備鍵は顧客の届け印で封印し、施錠したキャビネットで管理していた。ただ、キャビネットの鍵の管理も貸金庫の管理責任者に任せていたため、1人で勝手に予備鍵を使える状態になっていた。

 「盗める状態」だっただけで…

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