記者会見で頭を下げる半沢淳一頭取=2024年12月16日午後5時28分、東京都千代田区、吉本美奈子撮影

 三菱UFJ銀行の元行員が貸金庫から多額にのぼる顧客の資産を盗んだとして懲戒解雇された問題を受けて、半沢淳一頭取は16日に記者会見を開き、謝罪した。「信頼、信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがす事案であり、関係者におわびする」と語り、管理体制に不備があったことも認めた。元行員は貸金庫管理業務を一人で担い、予備鍵を使って貸金庫を開けていたという。

  • 銀行の貸金庫 顧客ができる防衛術は

 同行は被害額が時価で十数億円にのぼるとし、都内支店勤務で貸金庫の管理責任者だった40代女性のこの行員を懲戒解雇している。会見で説明をするのは、11月に問題が発覚してから初めて。1カ月近くかかった理由については、顧客対応を優先したためと説明した。

 同行によると、金庫の開閉には鍵が必要で、一つは正鍵として顧客が持ち、もう一つの予備鍵は顧客の届け印などで封印して銀行側が保管する。予備鍵を保管するキャビネットは元行員が一人で管理しており、予備鍵の封印を破って貸金庫を無断で開けていた。

 不正を防止する対策はずさん…

共有
Exit mobile version