これから社会に出る若者向けの講座「高校生のための知っておきたい身だしなみとマナー」が11日、千葉県館山市立博物館で開かれた。化粧品メーカー・資生堂の創業者である福原有信(1848~1924)が同市出身で、同博物館が没後100年を記念した企画展を開いていることから資生堂ジャパンが協力した。
講座には、高校生ら約30人の男女が参加した。同社の講師が「おしゃれと身だしなみの違い」について説明。「おしゃれは自分目線、身だしなみは相手目線。身だしなみを整えて清潔感と知性、信頼感をアップさせましょう」と話し、実際に化粧品を使って参加者にスキンケアやメイクアップの方法などを指導した。
受講した高校3年生の女子生徒は4月から東京の会社に就職する。今までメイクをしたことがなかったのでスキルを身につけたくて受講した。「社会人になって人前に出る時、この日学んだことを実行していきたい」と話した。実際にメイクをした自分を見て「(メイクする前より)1割増しになったかな」と笑った。
24日の午前11時と午後2時半からも開講する。無料。問い合わせは同博物館(0470・23・5212)へ。
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千葉県館山市立博物館本館では3月16日まで、「没後100年記念企画展 資生堂創業者 福原有信と館山」が開かれている。
福原有信は1848(嘉永元)年に安房郡松岡村(現館山市竜岡)に生まれた。江戸で西洋薬学を学び、明治期には海軍病院薬局長に就いた。72(明治5)年には民間初の洋風調剤薬局となる資生堂を創業して医薬分業を唱え、その後、化粧品部をつくり現在の資生堂につながった。
館山との関係は上京後も深く、安房地域最初の銀行の安房銀行創業にも関わった。生まれた地の松岡八満宮には現在も残る鳥居を奉納している。
企画展では97(明治30)年に資生堂が当時の最先端の西洋薬学技術を応用した初の化粧品となる化粧水「オイデルミン」のレプリカや、1925(大正14)年に採用された優雅な曲線などで知られるアールヌーボーの代表的なポスター「春化粧は資生堂のおしろい」など約160点が展示されている。3月16日にはギャラリートークも行われる。入場料一般400円(市民料金200円)など。