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在日中国大使館の前でパフォーマンスを行うアリック・リーさん(中央)と支援者ら=2025年6月27日、東京都港区、山根祐作撮影

 香港で2020年に反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)が施行されてから30日で5年となるのを前に、香港の民主化を目指す活動家が27日、東京都港区の在日中国大使館前で、強まる統制に対して抗議するアートパフォーマンスを行った。

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 パフォーマンスをしたのは、日本で活動する団体「レイディー・リバティー香港」代表で香港出身のアリック・リーさん(38)と支援者ら。リーさんらは、中国大使館の入り口近くで、自分の体を赤いロープで縛り付け、口を赤いテープで塞いだ。手には「IN HONG KONG すべて順調です」などと書かれたプラカードを掲げ、無言で立ち続けた。

 香港では昨年3月、国家に対する他人の反逆行為を知った人に通報を義務づける「国家安全維持条例」も成立し、市民への締め付けがますます強まる。リーさんによると、パフォーマンスには、沈黙を強いられる現実にあらがい、自由を求める人々と静かに連帯する思いが込められている。同様のパフォーマンスが、欧米やアジアなど世界各地に暮らす香港人らによって計画されているという。

 リーさんは「香港政府は国安法により香港が安定したとアピールするが、実際には数え切れないほどの人たちが政治的弾圧を受けている。いま香港で現実に起きていることを世界に伝えたい」と話した。

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