この水田で育つ群馬産の酒造好適米「若水」が、純米吟醸酒「緑風街」になる=2024年6月27日午前11時26分、前橋市西大室町、魚住ゆかり撮影

 米作りから、醸造、販売まで、すべて赤城山麓(さんろく)(群馬県)で行われる日本酒がある。生産されるのは4合瓶換算で年1200本だけ。自他ともに「もって2、3年」とみていたが、知る人ぞ知る名酒に育ち、20周年を祝う会が20日、開かれる。

 青々とした若い稲の足元で、小さなカブトエビが気持ちよさそうに泳ぐ。地元の人たちが「赤城南面」と呼ぶ赤城山麓の前橋市西大室町にある2反7畝(せ)(約2700平方メートル)の田んぼで、酒米「若水」が今年もすくすく育っている。この「若水」から、日本酒「緑の風が吹く街から(緑風街)」ができる。

「緑風街」の歴代のラベル。現在は、前橋市出身の画家で「緑風街」を応援する茂木紘一さんが描いた、赤城山をあしらったラベルだ=2024年6月28日午前10時20分、前橋市江木町、魚住ゆかり撮影

 年齢も職業も多彩な地元の有志による「緑風街倶楽部」(町田明弘会長)が田植えから収穫までを手がける。水田も、倶楽部の中心メンバーで専業農家の岡野公彦さん(68)が提供したものだ。

 この水田で収穫した「若水」を、ここから約4キロの「柳沢酒造」(同市粕川町)に持ち込み、赤城山の伏流水で「緑風街」を仕込む。

前橋高の同窓会がきっかけ

 「地元の米でつくったうまい…

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