錦川清流線のあり方を検討する「意見を聴く会」=2025年1月31日午後1時33分、山口県岩国市役所、鈴木史撮影

 赤字が続く山口県岩国市の第三セクター錦川鉄道の錦川清流線のあり方について、市は検討する案のうち、全線を存続したうえで、錦川鉄道が施設を保有して維持管理や運行を担い、維持管理や投資の費用を市が負担する「みなし上下分離方式」という役割分担のしかたが、市の負担額が最も少なくなるという試算結果をまとめた。どの案を選ぶかは新年度以降に決めるという。

 錦川鉄道は近年、1億円前後の赤字が続き、市が補塡(ほてん)している。市は昨年11月、①現状を維持して全線存続②上下分離方式で存続(市が施設を保有し、錦川鉄道に維持管理を委託、同社が運行する「公有民営上下分離」と、「みなし上下分離」の2方式)③一部を廃線にしてバスに転換④全線を廃線にしてバスに転換――という4案をまとめ、錦川鉄道や国土交通省、県、有識者らも加わる「意見を聴く会」に示した。

 市は1月31日に開いた「意見を聴く会」で、これらの案の収支の試算結果を含む報告書案を提示。終了後、記者団には具体的な数字は明かさなかったが、市の実質的な負担額は「みなし上下分離」案が最少になると説明した。鉄道施設への投資に起債を充てることで、地方交付税交付金の増額が期待できるという。

 試算部分などを除いて公表さ…

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