超長期の日本国債の金利が急上昇し、過去最高の水準で推移している。背景には買い手不足に加え、国の財政悪化への懸念がある。金利の形成はどこまで市場に委ねるべきか。国債の発行を担う財務省、「異次元」の金融緩和の下で最大の買い手だった日本銀行の対応が注目される。
国債には様々な年限(満期)がある。償還まで5年超から10年までを「長期国債」、10年超を「超長期国債」と呼ぶ。債券市場で売買され、買い手が少ないと債券価格が下落(金利は上昇)し、多いと逆に動く。このところ、超長期債の金利が目立って上昇している。
新発30年物国債の利回りは5月21日に一時3.185%、40年物は翌22日に一時3.675%をつけ、過去最高となった。年初と比べるとそれぞれ1%弱も上がった。
急上昇の大きな理由が買い手不足だ。超長期債は、長期の運用を前提とする生命保険会社などに買い手が限られる。近年は生保が新しい規制に対応するために超長期債を買ってきたが、その需要は一巡した。
日銀が進める利上げに伴う金利上昇を見据え、様子見の投資家も少なくない。トランプ米政権の関税政策で不確実性が高まり、比較的短い国債に買い替え、リスクを抑えようとする動きも出ている。
消費減税も材料視 住宅ローンへの影響は
国の財政悪化への懸念も一因…