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路上生活者に食料や衣類などを配る活動をしている、光照院(台東区)の吉水岳彦さんら=2024年5月13日午後8時13分、東京都台東区、平山亜理撮影
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 膨張を続ける東京で、人知れず厳しい状況に置かれている人たちがいます。総選挙で「未来」や「希望」が語られるなか、そこからこぼれ落ちる現場を知る人たちに、課題や政治に欠けているものを聞きます。

 猛暑の夏も、寒さが厳しい冬も、路上で暮らさざるをえない人たちがいます。路上生活者を支援する「ひとさじの会」の事務局長で僧侶の吉水岳彦さん(45)に、セーフティーネットからこぼれ落ちている人たちの現状について聞きました。

弁当一つのため、板橋から上野に歩く高齢者も

 東京都と23区による事業「ホームレス地域生活移行支援事業」で、2004年から09年までで都内では約千人の野宿者がアパート生活に移りましたが、困窮者は増え続けています。

 上野や浅草、隅田公園、山谷地区などで夜、路上生活者の寝床に行き、食料などを無料で配っていますが、東京五輪前は1晩で150人分ほどだったのが、今は250人を超えています。

 私たちが弁当を配るルート上に、行列ができるようになりました。アパートやネットカフェで暮らす人も、来るようになったのです。高齢の人が、板橋から上野まで、たった一つの弁当のため歩いてきています。異常事態です。

路上で暮らす20代女性と母親

 最近、路上で生活する20代の女性と、その母親に会った時には本当に驚きました。がんを患う母親の死後を案じて、上野公園で私たちを探したそうです。

 知人宅に住まわせてもらった…

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