岩手県大船渡市津波避難対策検討会議は4日、徒歩避難が困難な住民や事業従事者らが車での避難を容認する「自動車避難可能地域」を設けることなどの報告書をまとめ、渕上清市長に提出した。
市が2012年に市民2千人を対象に行った調査では、東日本大震災当時、徒歩と車で避難した人はほぼ同数だった。また、車で避難した人は約4割が特に危険を感じなかったとする一方で、約3割は渋滞して動けなかったと回答した。
これらを踏まえ、有識者や道路管理者らで構成する会議で検討を重ねた。大船渡市は大災害が起きた場合、原則として市民に徒歩で避難するよう求める。報告書では、支援が必要な人や徒歩避難が難しい人は、幹線道路と交差しないで避難できる道路や、交通量の少ない地域、徒歩避難者を妨げない道路幅がある地域に限り、車での避難を可能とした。
この自動車避難可能地域は26年度中に市の津波避難計画に反映し、周知する。それまでの期間も各自治会などで合意すれば運用できる。
また、震災時に避難する車が徒歩で横切るのを妨げた国道45号について、一部区間を通行止めにすることを周知し、交通量を減らすなどの対策を検討するとした。