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北京の天安門広場で2025年9月3日、軍事パレードで公開された無人機=新華社

 中国が3日、抗日戦争(日中戦争)の勝利から80年を記念して北京の天安門広場で行った中国人民解放軍(中国軍)のパレードで、多くの新型兵器が公開されました。詳細な性能がベールに包まれる中、パレードの映像をもとに何が読み取れるのか。中国の安全保障を専門とする防衛研究所の山口信治・地域研究部主任研究官は、中国の「自信」が見て取れると言います。

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 ――印象に残った兵器は何ですか。

 一番印象深かったのはミサイルです。特に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「東風(DF)61」は現行の主力である「DF41」の後継とされ、弾頭部分が大きいので10発ほどの核弾頭を搭載可能とみられます。米国の大都市を破壊できるほどの威力を誇示したと考えられます。同じく巨大なICBMの「DF5C」は、射程2万キロ超とも言われます。世界中を攻撃できる能力を示し、米軍の「グローバル・ストライク」という世界各所へ攻撃できる構想に対抗する力を持とうとしているのでしょう。

 ――空中発射型長距離弾道ミサイル「驚雷(JL)1」も公開されました。

 爆撃機から発射する弾道ミサイルはロシアなど一部しか採用しておらず、珍しいです。中国はかねて弾道ミサイルを搭載可能な爆撃機を擁しており、今回も改良型の「H6J」が登場しました。「JL1」と組み合わせた運用を想定しているのでしょう。

 ――様々な弾道ミサイルをそろえる中国軍の狙いをどう見ますか。

 中国は陸海空の各軍での核攻…

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