活気を失った集落の状況を説明する金南明さん。周辺の食堂や売店はほとんど店を閉めていた=2025年6月22日午前11時25分、韓国・高城郡、清水大輔撮影

 朝鮮戦争の開戦から25日で75年となった。同じ民族同士が戦火を交えた戦争は約3年後に休戦したが、いまも韓国と北朝鮮は分断され、対立が続く。軍事境界線近くで暮らしてきた住民は何を思い、南北関係は今後、どこに向かうのか。

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 北朝鮮との軍事境界線に隣接する韓国北東部の江原道(カンウォンド)高城(コソン)郡。青々とした田んぼが広がるなかに点在する食堂や売店の看板は、どれもさび付いていた。

 地元で生まれ育った里長(村長)の金南明(キム・ナムミョン)さん(49)は「かつては活気があったこの集落も高齢化が進み、観光客はわずか。私たちはこの国の中で疎外されている」と話した。

田畑のほとんどは「統制区域」内

 住民の生計を支えるのはコメ…

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